登山履歴書《上高地〈徳沢キャンプ場〉20210531−601》
晩春の上高地。森は新緑のアップルグリーン、水はどこまでも澄んだアクアグリーン、空は雲ひとつないコバルトブルー。
どこを切り取っても一枚の絵の如し。ひとえに沢山の方の地道な努力の結晶。まずは賛辞と感謝を。
朝7時 アルピコ交通のバスを大正池で降りた瞬間から暫く「おーっ」とか「うわあ」「綺麗ねえ」しか言えませんでした。凡人なので本当に感動すると自然とボキャブラリーが貧困になってしまいます。
さて、今回の課題は「重たい荷物を背負って長時間歩く!」
と言うことで梓川周辺をぐるぐる歩いて徳沢キャンプ場にテン泊という行程です。
結果的に言うと1日目で14.5キロ、2日目で14キロ歩きました。
使用ザックはグレゴリー ディバ60 重量は13キロありました。手で持つと5分と抱えていられない重さですが背負うと歩ける!登山用ザックって凄い。
焼岳にはうっすら噴煙が。活火山の荒々しさが神々しいです。
大正池から田代池に向かう遊歩道はもうすでに奥穂高に続いてる感ヒシヒシ。田代池には水が少なくて池塘が少し残っている湿原の状態でした。リフレクションが見れなくて残念。
ずっと見たかった河童橋越しの穂高連峰。梓川の水の透明度ったら!まるでソーダ硝子です。
明神池で穂高神社にお参りして御朱印をいただきました。さあ徳沢に向かいます。夢のような景色に助けられて来ましたが、ここまででもう10キロくらい歩いていて流石に肩腰にかなりのズッシリ感…。
梓川沿いの遊歩道にもちらほら咲いていましたが、明神橋を渡ってから徳沢に向かう登山道ではニリンソウがずーっと群生していてお花畑のよう。ルミエスタホテルの方が「今年はニリンソウの当たり年」と仰っていました。花びらの数は5枚と思い込んでいましたが、6枚以上の株も多くてとても華やかでした。
立ち止まって写真を撮ってばかり。中々テント場に到着しません。上高地に来たらどうしても見たかったエゾムラサキもそこココに。
これでもあまり綺麗に撮れなかった花は未掲載(ハシリドコロ、タチツボスミレ、イチヤクソウなど)です。
ウェブ上で上高地は花盛りと見聞きしていましたが、云って山だし天然だし観光庭園じゃないのだからと思っていましたが、想像以上の見応えでした。
オオカメノキ、ラショウモンカズラ、ツバメオモト
エゾムラサキ、タマシャクヤク
サンカヨウ、ヤマアマドコロ(ナルコユリかも)、アカハラ(花じゃないですが)
午後になると水彩画のにじみ技法の様な雲が出できました。中央の奥に大天井岳。
雲があるのも絵になりますねえ。
7時間もかけて(寄り道しすぎ!)やっと徳沢キャンプ場に到着。広〜い。平ら〜。
谷間なので眺望は良いとは言えませんが、北東側に長塀山、西側に前穂高。山に自然に包まれている感があって幸せです。
2日目も好天に恵まれました。名残惜しいですが、前穂高にお別れ。
もう一度大正池にも戻りましたが、若干風があって水面に波が。前日の様な見事な反射は見ることができませんでした。それでも夢のように美しいのに、人間て贅沢ですねえ。
上高地は色々な嗜好の方が色々な楽しみ方のできる懐の深い山岳リゾート地でした。
次に来る時はさーっと通り過ぎてしまうと思うので、じっくり見て廻れて良い経験でした。
なお、上高地は野生生物が多いとのこと。今回熊には会いませんでしたが、結構近い対岸で野生の猿2頭が闘っているのを見ました。川向こうで良かった。それと、上高地にいらっしゃる際は遊歩道で運をつけて来ないようお気をつけて。ホントに沢山、道の真ん中に在ります。(自己主張強!)